版画家棟方志功画伯と井原思斉

志功さんと思斉はとても親しい間柄でもありました。
志功さんが求めた特注筆に応えるため、思斉自らが各地に届けることもありました。
版画家棟方志功画伯から頂いた作品と手紙をご紹介します。

下側の作品は、題名「いろはにほへと」
志功さんの一心不乱に一気に書き上げる姿が目に浮かぶ楽しい「いろはに…」です。
棟方志功画伯といえば、版画ですが、こうした書も多く残されています。

「ダルマ・最後の手紙」
棟方志功画伯は、晩年、お世話になった方100人に手紙を書く!
という目標を立て、贈り先の方に向けたダルマを一体一体描いたそうです。
弊社に届いた手紙には、ダルマが筆を持っています。
この手紙は、病床ではなく退院されて間もない最初の頃のものだそうです。
志功さんの孫であり、現在棟方志功研究家である石井頼子氏が来社された時、この手紙を見て「こんなに力強いダルマはなかなかないです。結局100体まで描くことが叶わず60数体で力尽きて(亡くなって)しまいました。だんだんとダルマさんが小さく弱々しくなっていきました。色んなダルマさんが全国各地にあります。眼鏡屋さんには眼鏡をかけたダルマさんだったり…いつまでも人への気遣いを持った人でした」
最後の最後まで制作に意欲的だったと聞いています。
志功さんの魂宿る貴重な最期の「作品」です。
「世界の棟方志功」も若い世代は知らない人が多く、棟方志功ゆかりの記念館も閉鎖された所があるようで、情報社会の現在ですが、語り継いでいかなければならない事はこうして発信して行かないといけないんだと思う所です。
当社に残っている志功さんからの手紙、特に筆の依頼書など後世に残したい。

こちらの筆は、志功さんの愛用筆でもありました。
ザ・広島ブランド認定式にて紹介させていただいた筆です。
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